朝起きてトイレに行く。
寝ぼけていたためか、洋式トイレの蓋と一緒に便座も上げて座ってしまう。
一瞬で目が覚めた。
数年前まで立ちションが基本だった。奥さんに座ってするよう促されたがこれだけは譲れなかった。「男は立ってするもの、立ってしなけりゃ軟弱者」という謎のこだわりがあった。
しかし、自分で家事をしたりワンルームのマンションで整体をはじめるに、立ちションで用を足すと便座内にきちんと射ているつもりが、微小に飛び散ることがわかった。
見えないだけで床や壁にも飛び散っていること、そしてそれがトイレの嫌な匂いの原因になっていたのだ。
価値観が変わった瞬間である。
この気づきから、今まで奥さんから言われ続けても「ハイハイ」と生返事で立ちションを繰り返してきた行動を変えることになった。
と便器にはまったまま過去を振り返ってました。はまった瞬間は落とし穴に気付く瞬間のような冷静と混乱が渦巻いたけど、夏場はひんやりして気持ちいいことにも気づけた。はまるのも大事なことだと思う。
なわけないか。